自費根管治療について

当院では、保険診療においても拡大鏡やCT、NiTiファイル等を必要に応じて使用し、水準の高い治療を提供しております。しかし、保険診療の枠組みでは「コスト」や「時間」の制約上、すべての工程で最高レベルの機材を使い続けることは不可能です。
自費根管治療では、そうした制約を一切取り払い、「完全使い捨ての器具」「感染リスクの徹底排除」「マイクロスコープの常時使用」「最高品質の薬剤」を投入し、歯内療法専門医が再発リスクを限りなく最小化にすることを目指します。
精密根管治療(自費治療)が
おすすめな方
- 過去に根管治療を受けた歯が、
再び腫れたり痛んだりしている - 他院で「抜歯しかない」と言われた
歯を、できる限り残したい - 根の形が複雑・細い・湾曲していると診断され、治療困難と言われた
- 被せ物を外すと再治療が困難な歯
- できるだけ再治療のリスクを
減らしたいと考えている - 最高レベルの衛生環境、
材料を用いた治療を受けたい
※すべてのケースで自費治療が必要になるわけではありません。
診査・診断のうえ、保険診療で十分対応可能な場合は、無理に自費治療をおすすめすることはありません。
保険と自費の治療内容の
違いについて

自費の精密根管治療では、使用材料や時間の制約を取り払い、「感染リスクの徹底排除」「完全使い捨ての器具」「マイクロスコープの常時使用」「最良の材料」を投入し、歯内療法専門医が施術することにより再発リスクを極力下げることが可能となります。
| 精密根管治療(自費治療) | 一般根管治療(保険治療) | |
|---|---|---|
| 担当医 | 歯内療法専門医 | 歯科医師 |
| マイクロ スコープ |
治療の全工程 で使用 |
必要な時のみスポット使用(基本は拡大鏡で行い、見えない時だけ使用) |
| 治療器具 (ファイル) |
完全使い捨て(患者様ごとに新品を開封するシングルユース) | 洗浄・滅菌して再利用 |
| 充填材 | 殺菌性・封鎖性に優れたバイオセラミックシーラーやMTAセメントを含む高性能材料 | 一般的なガッタパーチャー |
| 治療時間 | 60〜120分 | 30分程度 |
| 適応症例 | 各種難症例や破折器具除去、 穿孔修復などにも対応 |
一般的な治療で治るケース に限る |
| 感染対策 | ラバーダム+術野の消毒等感染リスクの徹底排除 | ラバーダムまたは簡易防湿 |
精密根管治療(自費)の
メリット・デメリット

精密根管治療を選ぶ4つのメリット
-
器具が新品(シングルユース)
で衛生的 根管を清掃するヤスリ(ファイル)は非常に繊細で高価なため、通常は洗浄・滅菌して再利用されます。
しかし、金属疲労による「治療中の器具破折(折れ込み)」のリスクはゼロではありません。
自費診療では、患者様ごとに新品のパックを開封して使用し、一度使ったら破棄します。
これにより、交差感染のリスクと器具破折のリスクを極限まで低減します。 -
マイクロスコープによる
「常時」精密治療 保険診療では時間・コストの制約上、トラブル時など「必要なポイント」での使用に限られますが、自費診療では「最初から最後まで」マイクロスコープを覗きながら治療します。
肉眼では絶対に見えない汚れやヒビを見落とさず、確実に処置します。 -
高性能根管充填材で
再感染をブロック 治療の最後に根管内を埋める充填物として、最新のバイオセラミックシーラー(Bio-Cシーラー)やMTAセメントを使用します。これは強アルカリ性で高い殺菌作用を持ち続け、かつ硬組織(歯)の再生を促す性質があります。
従来のガッタパーチャ(ゴムのような充填物)に比べ、細菌の侵入経路を強固に封鎖するため、再発率が格段に下がります。 -
ラバーダムを使用した精密な補綴
根管治療をきちんとしても、土台を立てるときにラバーダムをしていないと再感染リスクが高くなります。
精密根管治療では根管充填後にラバーダムをした状態で土台を立てることができます。
最後の仕上げとなる被せ物は、歯としっかり接着することで隙間からの細菌感染リスクが低いセラミックまたはジルコニアとなります。
精密根管治療のデメリット
- 費用が全額自己負担となります。
- 治療後の土台・被せ物もすべて自費診療となります。
精密根管治療の流れ・
治療期間について
治療の流れ
-
精密検査・カウンセリング
CT撮影を行い、3次元的な根の形態や病変の大きさを診断します。専門医が治療の可否、費用、期間についてご説明します。
-
専門医による精密治療
ラバーダム防湿・マイクロスコープ下で新品の器具を使用して時間をかけて感染源を徹底除去します。
-
精密根管充填
洗浄・消毒後、殺菌性および封鎖性に優れたバイオセラミックシーラーやMTAセメントなどを用いて根管内を隙間なく封鎖します。
-
土台・被せ物の製作
再感染を予防するため精密な土台(ファイバーコア)を立て、仮歯を装着して根管治療は終了です。
その後、最終的な被せ物の製作へ移行します。
治療期間・回数について
| 治療回数 | 通常1〜2回 1回の治療時間を60〜90分と長く確保し、集中的に無菌化を行うため、短期間で完了します。 |
|---|---|
| 通院頻度 | 治療終了後は、骨の再生確認のため半年〜1年に一度の定期検診(レントゲン撮影)が必要です。 |
治療費について

当院では、治療費の総額が分かりやすい料金体系を採用しております。
※特殊な薬剤(MTAセメント等)の費用も治療費に含まれています。
※税込の価格です。
| 治療部位 | 費用(1歯あたり) |
|---|---|
| 前歯 | 99,000円 |
| 小臼歯 | 110,000円 |
| 大臼歯 | 143,000円 |
外科的歯内療法
| 治療部位 | 費用(1歯あたり) |
|---|---|
| 前歯 | 110,000円 |
| 小臼歯 | 132,000円 |
| 大臼歯 | 154,000円 |
その他かかる費用
| 歯内療法専門医による 初診・相談料 |
5,500円 ※CT撮影・診断料を含みます。 ※治療に進まれる場合は、着手金として治療費に充当します。 |
|---|---|
| 再治療加算 | 22,000円 ※他院ですでに根管治療をされた歯のやり直しの場合、古い薬剤や土台を除去する処置が必要なため加算されます。 |
| 破折ファイルの除去 | 22,000円 根管内に残った折れた器具を除去する際に加算されます。 |
| 土台(ファイバーコア) | 22,000円 ※根管治療後、無菌的環境下で土台を立てるための費用です。 |
| パーフォレーションリペア(穿孔修復) | 22,000円 歯の内部に穴が開いていた場合の修復費用 |
| 被せ物代 | 110,000〜143,000円 自費の根管治療後の被せ物は保険適用外となります。 |
| 破折診断料 | 33,000円 マイクロスコープで破折を確認し保存不可能と診断された場合にかかる費用(その場合は根管治療費は頂きません) |
治療費の総額イメージ
例:大臼歯の再根管治療の場合
診断料(0円)+治療費(143,000円)+再治療加算(22,000円)+土台(22,000円) +被せ物(121,000円)= 308,000円
よくある質問

Q. 根管治療だけ自費で行なって、
被せ物は保険で行うことはできますか?
A. 申し訳ございませんが、日本の健康保険のルール上できません。また、医学的にもおすすめできません。
健康保険の制度として、一連の治療の中で保険診療と自費診療を混在させる「混合診療」は法律で禁止されています。根管治療を自費で行う場合、土台や被せ物もすべて自由診療となります。
しかし、これはルールだけの問題ではありません。「治療の質」を守るためにも非常に重要です。
どれだけ精密に根の治療をしても、最終的な被せ物の精度が低く隙間があれば、そこから再び細菌が入り込み、再発してしまいます。
被せ物をセラミック材料にすることで歯としっかり接着し隙間からの感染を予防することができます。
当院は院内に歯科技工所を併設しており、根管治療の成功を無駄にしない「再感染を防ぐための精密な被せ物」まで責任を持って作製いたします。
Q. どうして自費と保険で成功率に
差が出るのですか?
A. 「見える範囲」「無菌管理」「かけられる時間」が根本的に異なるからです。
保険診療は制限の中で行う最低限の処置になりがちですが、自費診療では成功率を最大化するための環境をフル活用します。
- マイクロスコープ 肉眼の約20倍まで拡大し、複雑な根の中を直接見て汚れを取り除きます。
- ラバーダム防湿 治療する歯以外をゴムのシートで覆い、唾液(細菌)の侵入を防ぎます。
- CT診断 レントゲンでは見えない病変(4)を3次元で特定します。
- 専門医の技術 当院には「歯内療法専門医」が在籍しており、専門的な技術と時間をかけて丁寧に処置を行います。
「見えない根の中を手探りで行う治療」と「根管の中を常時見ながら徹底的に細菌を除去する治療」の差が、成功率の差となります。
Q. 自費で根管治療を行なっても
治療が成功しなかった場合、
費用はどうなりますか?
A. 万が一再発した場合
常に最善の治療を行ってまいりますが、医療に「絶対(100%)」はありません。
当院で精密根管治療を行なったが再治療が必要になった場合、外科的歯内療法(歯根端切除術や意図的再植)を第1選択としてご案内いたします。2年以内の場合、外科的歯内療法の手術代は半額となります。
Q. 痛みはありますか?
治療中は局所麻酔を適切に使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。
ただし、根の先に溜まっていた膿や細菌を触るため、身体が治ろうとする反応(免疫反応)として、治療後数日間は痛みや腫れが出ることがあります。
痛み止めを処方し、痛みをコントロールできるよう配慮いたしますのでご安心ください。
不安な点は専門医がしっかりとサポートいたします。
Q. 他院で抜歯といわれたのですが、
どうしても自分の歯を残したいです。
自費の根管治療をすれば残せますか?
A. 残せる可能性は十分にあります。諦める前に一度ご相談ください。
他院で「抜歯」と診断された場合でも、マイクロスコープと専門医の技術を用いれば保存できたケースは、数多く存在します。
もちろん、歯が割れている場合など物理的に不可能なこともありますが、「本当に抜くしかないのか」を、専門医がCTを用いて精密に診断いたします。
ご自身の歯を残すための「最後の砦」として、セカンドオピニオンにお越しください。
症例
case 1.
治療前

治療後

| 主訴 | 右下歯ぐきの腫れ。 他院で抜歯と言われ、セカンドオピニオン希望でご来院。 |
|---|---|
| 治療期間 | 1か月 |
| 治療費 | 約2万円 |
| 治療内容 | ラバーダム、マイクロスコープ下にて根管治療を施術。歯肉腫脹と疼痛は消失し補綴物を作製し治療終了。治療後のレントゲン写真は2年後のものです。 |
| 治療のリスク | マイクロスコープやCTを使用し、可能な限り精密な根管治療を行っていますが、歯根の形態や病変の大きさ、過去の治療履歴などにより、治癒が得られない場合があります。 また、治療後に再感染や歯根破折が生じることもあり、その場合は再治療や抜歯が必要となることがあります。 治療結果には個人差があり、すべての症例で同様の経過を保証するものではありません。 |
case 2.
治療前

治療後

| 主訴 | 左下歯ぐきの腫れ。 |
|---|---|
| 治療期間 | 約2か月 |
| 治療費 | 約1万5千円 |
| 治療内容 | ラバーダム、マイクロスコープ下にて根管治療を施術。 歯ぐきの腫れ、痛みや違和感が消失したため根管充填、支台築造(土台の製作)を行った。治療後の写真は矯正治療を行うことになったため仮歯を装着した状態。 |
| 治療のリスク | マイクロスコープやCTを使用し、可能な限り精密な根管治療を行っていますが、歯根の形態や病変の大きさ、過去の治療履歴などにより、治癒が得られない場合があります。また、治療後に再感染や歯根破折が生じることもあり、その場合は再治療や抜歯が必要となることがあります。 治療結果には個人差があり、すべての症例で同様の経過を保証するものではありません。 |
case 3.
治療前

治療後

| 主訴 | 左下奥歯が痛い、歯ぐきの腫れ。 前医で抜歯を提案されたがセカンドオピニオン希望でご来院。 |
|---|---|
| 治療期間 | 約半年(6か月) |
| 治療費 | 約5万円 |
| 治療内容 | 前医ではラバーダム不使用であったため、ラバーダム、マイクロスコープ下にて根管治療を施術。 痛みは消失したが腫れは治らなかったため、意図的再植を行い腫れは消失した。治療後のレントゲンは意図的再植後3年経過したもの。 |
| 治療のリスク | マイクロスコープやCTを使用し、可能な限り精密な根管治療を行っていますが、歯根の形態や病変の大きさ、過去の治療履歴などにより、治癒が得られない場合があります。 また、治療後に再感染や歯根破折が生じることもあり、その場合は再治療や抜歯が必要となることがあります。 治療結果には個人差があり、すべての症例で同様の経過を保証するものではありません。 |
case 4.
治療前

治療後

| 主訴 | 右下奥歯が痛い。 他院で『膿の袋が大きいため抜歯』と言われセカンドオピニオン希望でご来院。 |
|---|---|
| 治療期間 | 約半年(6か月) |
| 治療費 | 約5万円 |
| 治療内容 | ラバーダム、マイクロスコープ下にて根管治療を実施し、歯根端切除を行う。歯茎の腫れは消失し違和感や痛みも消失した。 |
| 治療のリスク | マイクロスコープやCTを使用し、可能な限り精密な根管治療を行っていますが、歯根の形態や病変の大きさ、過去の治療履歴などにより、治癒が得られない場合があります。 また、治療後に再感染や歯根破折が生じることもあり、その場合は再治療や抜歯が必要となることがあります。 治療結果には個人差があり、すべての症例で同様の経過を保証するものではありません。 |
case 5.
治療前

治療後

| 主訴 | 他院で治療中だが歯ぐきの腫れが引かない。 |
|---|---|
| 治療期間 | 約2か月 |
| 治療費 | 約2万円 |
| 治療内容 | ラバーダム、マイクロスコープ下にて根管治療を施術。 腫れは消失し被せ物を製作し問題なく使えている。 |
| 治療のリスク | マイクロスコープやCTを使用し、可能な限り精密な根管治療を行っていますが、歯根の形態や病変の大きさ、過去の治療履歴などにより、治癒が得られない場合があります。 また、治療後に再感染や歯根破折が生じることもあり、その場合は再治療や抜歯が必要となることがあります。 治療結果には個人差があり、すべての症例で同様の経過を保証するものではありません。 |
case 6.
治療前

治療後

| 主訴 | 右下歯ぐき腫れ。 |
|---|---|
| 治療期間 | 約半年(6か月) |
| 治療費 | 約5万円 |
| 治療内容 | ラバーダム、マイクロスコープ下にて根管治療後、歯根端切除を行う。 歯茎の腫れは消失。被せ物を製作し定期検診でメインテナンス中。 |
| 治療のリスク | マイクロスコープやCTを使用し、可能な限り精密な根管治療を行っていますが、歯根の形態や病変の大きさ、過去の治療履歴などにより、治癒が得られない場合があります。 また、治療後に再感染や歯根破折が生じることもあり、その場合は再治療や抜歯が必要となることがあります。 治療結果には個人差があり、すべての症例で同様の経過を保証するものではありません。 |
case 7.
治療前

治療後

| 主訴 | 左下歯ぐきの腫れ。 |
|---|---|
| 治療期間 | 約半年(6か月) |
| 治療費 | 約5万円 |
| 治療内容 | ラバーダム、マイクロスコープ下にて根管治療後、意図的再植を行う。 歯茎の腫れが消失したため被せ物を製作し定期検診でメインテナンス中。 |
| 治療のリスク | マイクロスコープやCTを使用し、可能な限り精密な根管治療を行っていますが、歯根の形態や病変の大きさ、過去の治療履歴などにより、治癒が得られない場合があります。 また、治療後に再感染や歯根破折が生じることもあり、その場合は再治療や抜歯が必要となることがあります。 治療結果には個人差があり、すべての症例で同様の経過を保証するものではありません。 |